ツノガエルは、南米の草原などの土の中に潜って生息し、日本のカエルに例えるとヒキガエルに近い生態です。
非常に貪欲で目の前の物に対して口を大きく開けてアタックしてくる様はユーモラスで、海外ではパックマンフロッグ(Pac Man Frog)と呼ばれ親しまれています。
長年に渡り累代繁殖が行われ、ペット用として愛されているカエルで、両生類爬虫類の入門種としても人気があります。
飼育に関しては、カエルが入る大きさのケースに水分が保たれる状態を維持できる環境で、週に2.3回の給餌と水換えを行う程度のメンテナンスで比較的容易に飼育ができます。
飼育は非常にシンプルで毎日世話をする必要もなく、お子様でも飼育できる程度の、気軽に飼育できるペット用として繁殖されているカエルです。
しかし…
カエルは10年以上の寿命があります。
意思疎通を図るのは最初は難しいです。
少しでも体調を崩すと死んでしまうかもしれません。
気楽に飼育ができるカエルでも私たちと何ら変わらぬ生命を宿しています。
大切に愛を持って育ててください。このカエルを創造している当ファームからのお願いです。
この愛嬌たっぷりで魅力あるツノガエルの飼育を十分に楽しんでいただくために、このサイトを参考にしていただければ幸いです。
必要なもの
飼育容器(プラケース) |
床材(ウールマット) |
お箸又はピンセット |
温度計 |
エサは現在は人工飼料のみで飼育するスタイルが主流となっています。
オタマジャクシからカエルに変態した直後のエサを食べなれていない個体、神経質な種類や個体の中には人工飼料の給餌がうまく行かない可能性があります。この場合は、メダカなどの魚類を与える必要があります。
当ファームでは、全ての個体においてパックマンディナーのみの給餌で育成、繁殖まで行っています。
日光 カエルは夜行性なので、暗い環境で活動します。しかし明るい日中でも給餌は行えますので、光に関してはそれほど気を遣わなくて結構です。成長に紫外線を必要としません。
温度については、人間と同様の温度感覚だとお考え下さい。
真夏や真冬は温度対策をしないと耐える事ができません。
おおよそ20~30℃の範囲に収まるようにしてください。また外気との温度差はあまりつけない事をお勧めします。
外気が35℃の時に22℃の環境では、上記の適温の範囲に入っていますが、当然状態を崩します。真冬の氷点下の時期に28℃の環境にしても温度差があり過ぎて非常に危険ですので、お気を付けください。
空間認識力 本来は土の中に潜って過ごしていますので、入れ物(飼育容器)の大きさに対してのストレスは掛かりません。
広い飼育容器を用意しても落ち着ける場所を見つけると、体を潜らせて目だけ出す状態となります。
すっぽりと土などに体が覆われた状態が一番落ち着くので、大きな飼育容器を用意する必要はなく、生涯を中型のプラケースで飼育する事が出来ます。
水分 ツノガエルは湿った土の中に潜って生活しており、水辺には繁殖期以外には近寄らないとお考え下さい。
従って、基本的な飼育環境では、土に含まれる水分程度の湿度が体と接している状態が理想的です。
ウールマットでの飼育は、糞などによる汚れが確認し易い事と水分が蒸発されていく経過が観察できるので、四季に応じて環境を適切に設定し易い利点があります。
エサ ツノガエルは完全肉食性です。コオロギ、ミルワームなどの昆虫・メダカ、ドジョウ、金魚等の魚類・マウス・人工飼料などがエサとして適しています。
嗜好性が高いものは魚類。栄養価が高いものは人工飼料。消化器官への負担が少ないものは、コオロギなどの昆虫となります。しかし、カエルを飼育するにあたって、エサが魚や昆虫の場合、これらも合わせて飼育しなければならなく、生きたエサを与える事に抵抗があるからも多くいらっしゃる事から現在は、人工飼料のみで飼育するスタイルが主流です。
神経質な個体などでは人工飼料に餌付かず、生餌を与えなければならないケースもありますが、基本的に人工飼料での単一給餌が最も安全で安心して飼育できます。
給餌方法 ツノガエルは目の前に来たものを全て捕らえようと口を大きく開けてアタックしてきます。
この行動がツノガエルの飼育の醍醐味でもある部分とも言えます。
対象物の大きさなどに関係なく飛びついてきますので、人の手にも噛みついてきます。ベビーサイズでしたら痛くありませんが、大きく成長した個体に噛まれると歯型がついて血が出るほど痛いのでお気を付けください。(カエル自身に毒は持っていません)
ある程度の大きい獲物を捕らえて食い溜めするような傾向の捕食の仕方をしますので、エサは毎日与えるような給餌方法ではなく、週に2回程度を目安に行います。
エサの与え過ぎには十分ご注意ください
ツノガエルを飼育する上で一番多いトラブルがエサの与え過ぎによる消化器官へのダメージです。
食べたエサを消化できずにそのまま衰弱してしまい、最悪の場合そのまま死んでしまいます。
例えば、ベビーサイズの個体にパックマンディナーを小豆程度の直径5.6mm程度の球にして週に1個を与えれば、エサが不足して健康状態を損なう事はありません。
2個の場合はちょうどいい感じで、3個ですと多過ぎ。と言うようなイメージです。
しかし実際には個体のサイズとエサのサイズが合っていなく、1回の給餌量が多過ぎてしまうケースが非常に多いですので、カエルをお迎えして間もない期間のうちは、エサを与える量を少なくして様子を伺ってみてください。
エサの与え方 目の前で動くものには飛びついてきますので、ピンセットや箸でエサをつまんで目の前に差し出すだけで食べてくれます。
しかし、差し出し方によっては驚かせてしまったり、食べたくなくなってしまったりしてしまう場合があります。
これは個体の性格やエサを食べる経験値などによって生じるものであり、エサと認識してもらうように差し出すコツのようなものが必要と感じる方がいらっしゃるかもしれません。
水換え ウールマットで飼育している場合、水の蒸発加減が確認できます。水をウールマットと同じくらいの水位にした場合、1週間後には水がほとんど残っていなく乾燥しているかもしれません。この場合には水を補給してください。
糞をした場合、ピンセットで摘まめる程度の堅さがある場合には取り除くだけで大丈夫ですが、水が濁る程度に混ざった場合にはすぐに交換してください。
給餌量が適切な場合は、10日に1度は糞をするサイクルになると思います。
従いまして、1週間から10日に1回はケース内を水で洗い水分補給をする作業が必要となります。
ポイントとしては、水分補給をした状態から、ある程度乾燥する状態に変化していくサイクルを作る事です。
そのサイクルが1週間前後が理想的で、逆に毎日水換えをして同じ水位、同じ温度を維持する事は、少しの環境の変化に対応できない弱い個体に育ってしまいますので、温度や湿度の変化に幅を持たせて環境の変化に対応できるようにしてください。
エサを食べない 初めてカエルをお迎えしての給餌で食べてくれない場合は、環境の変化などによって状態が安定していない為に食欲が沸かない可能性がります。
落ち着かせる為に、お迎えしてから3日程度はエサを与えずに落ち着かせる事を最優先としてください。
エサを食べて満腹であったり、消化されずに残っている場合は与えても食べません。完全に消化されて食欲が沸くまで待ちます。
通常、成長期(生後1年程度)までは限界量を与えても1週間以内には消化します。それ以上の期間消化できない場合は、与えた量が多過ぎたために消化が出来ない状態となっていてとても危険な状態と判断してください。
糞をしない 適量の給餌を行われている場合は、10日に1度程度の糞をします。
エサの量が足りていないと、長期間糞をしない場合があります。エサを差し出して勢いよく食べる状態が続いてる状態であれば量が足りないと判断していただいて、給餌量を少しずつ増やしていってください。
便秘によって出ない場合は、水を張った容器で数分間泳がせたり、30℃程度の水に1時間ほど漬けたりして促す方法もあります。しかし日常的に行うと刺激にならない為、ご注意ください。
病気 消化不良、目の白濁、アンモニア中毒、皮膚病などが挙げられますが、基本的に食欲が全くない状態となった場合、回復させる事は非常に困難となります。
それぞれ原因がありますが、病気にさせない環境を作る事が第一で、病気になってしまった場合には獣医さんに相談してください。
目の白濁や皮膚病には市販薬で対応できる場合がありますが、全ての症状に有効でない事、症状自体を正確に把握できない場合も多い事から自己判断は難しいとお考え下さい。
ツノガエルの中でも一番飼育し易く、色や模様も個体によって様々な特徴を持つ品種です。
多くのスタンダードタイプは、緑のカラーがベースとなり、赤い色が入ります。また、成長に従い黄色の発色も現れてきます。
稀に、赤や緑一色になる個体も存在し、単にベルツノガエルと言っても、非常に多くのバリエーションがありますので、コレクション性も高く、人気のある種類です。
ベルツノガエルと並ぶツノガエルの代表格です。
ブラウンとグリーンのフルカラーとミックスカラーの配色が野生の個体から確認できています。
ベルツノガエルと比べると角の突起が大きく、顔はシャープです。
この種から多くのカラーバリエーションが産まれています。
淡いグリーンの発色が特長で、優しいイメージの種類です。
茶褐色の模様が入りますが、近年は模様の部分も体色のグリーンと同じ色になり、模様が消えたように見える、パターンレスと呼ばれる個体も生まれてきています。
1999年頃に当ファームが作出した品種です。
ペパーミントツノガエルの詳細、販売ページに行く
クランウェルツノガエルのアルビノ種から産まれたカラーバリエーションです。
淡い黄色の発色が特長で、優しいイメージの種類です。
オレンジ色の模様が入りますが、近年は模様の部分も体色の黄色と同じ色になり、模様が消えたように見える、パターンレスと呼ばれる個体も生まれてきています。
1999年頃に当ファームが作出した品種です。
ライムグリーンアルビノツノガエルの詳細、販売ページに行くクランウェルツノガエルのアルビノ種から産まれたカラーバリエーションです。
通常、アルビノ種は、黄色い体色に、オレンジがかった模様が入りますが、アプリコットツノガエルは、本来は模様である部分のオレンジ色が全身に発色する種類となります。
2006年頃に当ファームが作出した品種です。
アプリコットツノガエルの詳細、販売ページに行く突然変異個体は、現時点で全てクランウェルツノガエルから産まれてきていますので学名はCeratophrys cranwelliとします。
数千匹の中から偶然産まれた個体を親として使用し、変異する要素を持った個体で累代繁殖を行っています。
この種は、別種とのペアリングや操作によって、故意に作り上げる体制は取っておりません。
2005年頃に当ファームから初めて色彩変異種が産まれました。
色彩変異個体の詳細、販売ページに行く非常に角の突起が発達し、体形も他の種とは異なるイメージを持った種類です。
昔から人気がありますが飼育難度が現在でも比較的高い種類で、エサは魚類を与える必要があります。
上級者向けの種類となります。
2010年頃に海外で初めて繁殖例が報告された事により、今日の流通のきっかけとなった幻の品種です。過去の文献にある群を抜く大型になる事はありませんが、大きく発達した角、独特の配色、貫禄のある体形はまさにキングオブ・ツノガエルです。
ブラジルツノガエルの詳細、販売ページに行くツノガエルの中では珍しく小さい種類で、最大でも7㎝程度と、可愛いタイプのツノガエルです。
角自体も目立たず皮膚の突起もあまり激しくありません。
残念ながら、当ファームでは種親を失ってしまい、現在は繁殖できない状態となっています。
常時営業はしておりませんが、ご来店も可能です。
必ずご予約をお願いいたします。
詳しくは、「ご来店について」をご覧ください。